バラとの出会いは、小学校3年生の頃です。祖母が買ってくれた『ポプリ』の本を見ながら、バラの花びらを乾燥させ、初めてバラのポプリ作りに挑戦しました。ですが、想像していたのと少し違う香り……改めて生花の香りと比べると「生きているバラの香りの方がずっと素敵」ということがわかりました。甘く華やかなダマスクの香りに、すっかり心を奪われたのです。
大人になって一眼レフカメラを購入した理由のひとつも、バラの美しさを写真に残したかったから。特に、川崎市の生田緑地バラ園で見た ‘ピエール・ドゥ・ロンサール’ のオベリスクは忘れられません。その美しさに感動し、「いつか自分の庭で育てたい」と決意しました。
その後、親族の家で小さな庭に ‘ピエール・ドゥ・ロンサール’ を植えましたが、日当たりの悪さや害虫の被害でうまく育てられませんでした。近所の人からもらった挿し木の ’黄色モッコウバラ’ だけは2階のベランダまで誘引できるほど元気に育ち、ガーデニングへの希望をつないでくれのです。
数年後、大好きなバラを残して家を出ることになり、一時は植物を育てる気力も失いました。しかし、新しいマンションに引っ越したことを機に、再びバラへの情熱がよみがえります。「今度こそ失敗しない」と心に誓い、勉強を重ねながらベランダガーデニングに挑戦しました。たった2鉢のバラでしたが、春と秋には見事な花を咲かせ、ベランダ全体を彩ってくれました。
今ではその2鉢のバラとともに新しい土地に移住し、鉢植えから地植えに挑戦しています。環境が変わっても元気に育つバラたちは、これからも私の心を支えてくれる大切な存在。こうして振り返ると、バラはただ美しいだけではなく、私の人生に寄り添い、支えてくれる大切なパートナー。
これからもバラと心豊かな日々を紡いでいきたいと思っています。