満開のバラが教えてくれた、遠回りの意味
2025年春
人生の季節はめぐりゆくもの、心は時間をかけた分だけ本来の色に戻ります
15年前、ばら苑で出会ったやわらかく気高い『ピエール・ドゥ・ロンサール』
“詩の王子”と呼ばれたフランス詩人の名をもつ姿に憧れ、小さなスペースに苗を植えました。
うまく育たないのを環境のせいにしていた私は、雑草に埋もれていく苗を見ないふりをして、静かにあの家をあとにします
月日が経ち「もう一度、育てよう」そう思えたのは、しっかりと根を張れる場所を見つけたから
今、そよそよと揺れる満開のピエールを見ていると、遠回りに見えた日々にも意味があったのだと思えます
あのとき、できなかったことも
今なら、きっとできる
願った未来に近づくために 今という季節があるのです
