水やり、肥料、消毒……お世話をして成長したバラ。
「冬の剪定のタイミングを逃してしまったり、切り方を間違えたのではないかと後から不安になる……」そんな悩みを抱えていませんか?
私も10年以上バラを育てていますが、いまだに悩みの多い作業です。
冬の剪定は、春にちょうど良い花数と大きさの花を咲かせ、株を充実させるメリットがあります。
枝ぶりの状態がわかりやすく、鑑賞に適した高さに揃えやすいのも、この時期ならでは。
時期は地域により異なりますが、一般的には12月下旬から2月中旬頃と言われています。
私の住むエリアでは、冬に気温がマイナス5度程度まで下がります。都心に住んでいた頃より剪定を早め、今年は1月上旬に行いました。
この記事では、専門家の書籍やYouTubeを参考にしながら、実際に自分で剪定をして学んだ「バラの樹形づくりに欠かせない冬剪定のポイント」をまとめています。
1. 剪定するバラの基本的な樹形を確認する
木立やシュラブなど、樹形のタイプによって剪定の方法を工夫します。
シュラブは剪定次第で木立のように仕立てたり、つるバラのように育てたりすることができるため、楽しみの幅が広がりますね。
カットするのは、全ての枝。位置は、大輪品種は樹高の2分の1、中輪品種以下は樹高の3分の2〜2分の1を目安にします。
アーチやトレリスに誘引する場合は、誘引しやすいしなやかで長い枝を残し、直立して硬い枝をカットするのがポイントです。
想定よりも大きくなりすぎた大株のシュラブ。簡易的なトレリスに誘引していましたが、倒れてしまい、金属製のアーチに誘引しました。

トレリスからアーチへ誘引
なお、植え付け1〜2年目の若い株は無理に切らなくても大丈夫です。
2. 剪定後の姿をイメージする
横広がり?それともスレンダーなフォルムにしますか?
仕立てたい姿によって、残す芽が変わります。
横広がりに仕立てる場合は外芽を残し、スレンダーに仕立てる場合は内芽を意識してカットします。
剪定前に「残す枝」と「切る枝」を区別し、「切る枝」はどこまで切るかをイメージしておくことが大切です。
「ここを切ったらこうなる」とイメージしてから剪定すると悩む時間が減ります。
バラの枝には、それぞれ開花に適した長さや太さがあります。
通気や日当たりを確保しながら、イキイキとした樹形を目指していきたいですね。
剪定のポイント
- 枯れた枝
- 鉛筆よりも細い枝
- 樹勢が弱い株は、割り箸よりも細い枝
- 残したい枝に重なる枝
- 木質化していない枝
- 木質化している根元のデコボコした部分(病気予防)
- 他の枝と比べて紅葉せず緑のままの栄養不足と思われる細い枝
なお、私は葉をすべてかき取る派です。
3. 日々の観察を習慣化する
剪定直後、1週間後・1か月後・開花前など、定期的に写真を撮っておくと成長の過程がわかり、次回の剪定に役立ちます。
つい開花時の写真ばかり撮りがちですが、花がない時期の記録も大切です。
今年こそは忘れないように撮影しました。

剪定への不安を解消し、イキイキとした樹形を手に入れるためには、
「剪定するバラの特徴を知る」「手順を事前にイメージする」「剪定の前後を観察する」ことが重要です。
以前、春に植えた大株を初めて冬剪定した際、思い切って半分ほどカットすると、元気なシュートが出て動きのある樹形になりました。意外にも、バラは強い植物です。

この記事では、剪定に失敗する不安を取り除き、イキイキとした樹形を目指すための3つのポイントをお伝えしました。
正しい枝の選定や切る位置のコツを押さえれば、迷いなくハサミを入れられます。
バラの美しさをさらに引き出すために、一歩踏み出してみませんか?
参考書籍および動画
『NHK趣味の園芸 12カ月栽培ナビ① バラ』 鈴木満男 NHK出版
『新しいバラ 強く、美しく咲かせる』 木村卓功 NHK出版
バラ塾【バラの家 公式】 https://youtu.be/w9N3vSd_CFg?feature=shared
ガーデンちゃんねる https://youtu.be/ICIpOeJilfc?feature=shared
花ごころ園芸チャンネル https://youtu.be/yGiBliaAHHc?feature=shared